税金

知っていると得する!マンション売却時の税金、控除、確定申告まとめ

「マンションを売却した時にどんな税金がどれだけ掛かるのか知りたい」

所有しているマンションを売却して利益が出れば嬉しいですよね。ですが売却の際に掛かる税金の事について知らなければ、後で「こんなはずではなかった」という事にもなりかねません。そしてお得な税金の控除の特例について知らなければ損をします。

そこで今回は、マンションを売却した際に掛かる税金と計算方法、利用するとお得な控除の特例や確定申告について解説します。

マンション売却に関わる税金の一覧

マンションを売却した際にかかる税金の種類は、次の5種類あります(それぞれについての内容は、順にご説明します)。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 消費税
  • 所得税
  • 住民税

覚えておいて頂きたい点は、この5種類が常にかかる訳ではなく、居住用か投資用か、利益が出たか出ないかによって、かかってくる税金の種類が変わってくる点です。

次の表に、場合別に、どの税金がかかるかをまとめました。

印紙税 登録免許税 所得税 住民税 消費税
居住用
利益出ない
居住用
利益出た
◎※ ◎※
投資用
利益出ない
投資用
利益出た
  • 印紙税、登録免許税は、全てケースで必要
  • 所得税、住民税は、利益が出た場合に必要
  • 消費税は、投資用マンションの売売却の場合に必要

ということになります。

ただし、居住用のマンションの売却で利益が出た場合は、条件を満たすと「3,000万円の特別控除」または「買替特例」と呼ばれる制度により、免除が受けられます。所得税、住民税の項目で詳しくご説明していますので、ご確認ください。

「居住用マンション」とは、自分で住むために購入したマンションを指します。
「投資用マンション」とは、購入の目的が賃貸経営、売却利益を狙った目的で購入したマンションは投資用マンションになります。
ただしマイホーム目的で購入したマンションを転勤などの事情で途中で賃貸に出したというケースでは「居住用マンション」として扱われます。

次に、各税金の内容について見ていきます。

印紙税

不動産の売買契約書には印紙を購入して貼り付けますが、貼った印紙に税印を押すことで納税するのが印紙税です。

通常、売買契約書は売主と買主がそれぞれ保有する為に2通作ります。そのため2通の契約書にそれぞれ印紙を貼りつける必要があります。

登録免許税

登録免許税は住宅ローンの抵当権抹消登記を行う際にかかる税金です。

マンションを売却する際にローンが残っていれば、ローンを完済して抵当権抹消登記を必ず行う必要があります。

また住所変更登記を行う際にも登録免許税が掛かります。

法務局にある不動産登記簿には、マンションの所有者の住所と氏名が書かれています。マンションの所有権の名義変更を行う、銀行ローンの担保設定を行う際には、マンションの名義人の住所を住民票の住所に変更しておく必要があります。そのためマンションの売却時に住所変更登記を行う必要があります。

なお、マンションを売却後の引越し先へ住民票を移動させる前に印鑑証明を取っておけば住所変更登記を行う必要はありません。事前に旧住所(売却するマンション)の印鑑証明を取っておきましょう。

所得税・住民税・譲渡所得の計算方法

所得税と住民税はマンション売却で利益が出た場合に掛かる税金です。居住用、投資用ともに売却益が出たら課税されます。

所得税と住民税を計算する為には、まず売却益(譲渡所得)がいくら出たのかを計算する必要があります。譲渡所得は以下の計算式で求めます。

譲渡所得=売却価格-(取得費+売却費用)

取得費とは

取得費はマンションの購入価格と、購入時に掛かった諸費用合計したものです。

購入時に掛かった諸費用には以下ものが含まれます。

  • 仲介手数料
  • 税金
  • 登記費用
  • リフォーム代

取得費=マンション購入価格+購入時の諸費用

ただしマンションの購入価格については購入価格を建物と土地の価格に分けて、建物部分の価格から減価償却費を差し引く必要があります。

つまり正確には以下の計算式になります。

取得費=建物価格(購入時)-減価償却費+土地の価格+購入時の諸費用

マンションの減価償却

会計上、建物は時間の経過と共に価値が下落していく物として扱われます。この時間と共に下落した建物の価値を減価償却分と言います。

マンション売却時の取得費を計算する際には、購入時の建物価格から減価償却分を差し引く必要があります。減価償却費は以下の計算式で求めることができます。

減価償却分=購入価格(建物部分のみ) × 0.9× 0.015 × 経過年数

譲渡所得の計算シミュレーション

では実際に譲渡所得を計算してみましょう。

ここまで説明した計算方法をまとめると、以下の3ステップで譲渡所得を計算することができます。

ステップ①:マンションの減価償却分を計算

減価償却分=購入価格(建物部分のみ)×0.9×0.015×経過年数

ステップ②:取得費を計算する

取得費=建物価格(購入時)-減価償却費+土地の価格+購入時の諸費用

ステップ③:譲渡所得を計算する

譲渡所得=売却価格-(取得費+売却費用)

以下の条件でマンションを売却した時の譲渡所得を計算してみましょう。

  • 10年前に新築マンションを3,600万円で購入
  • 購入価格3,600万円のうち、建物価格1,800万円、土地価格1,800万円
  • 購入時の諸費用150万円
  • 売却価格4,000万円
  • 売却費用150万円

ステップ①:減価償却分を計算

減価償却分=購入価格(建物部分のみ)×0.9×0.015×経過年数

=1,800万円×0.9×0.015×10年

=243万円

ステップ②:取得費を計算する

取得費=建物価格(購入時)-減価償却費+土地の価格+購入時の諸費用

=1,800万円-243万円+1,800万円+150万円

=3,507万円

ステップ③:譲渡所得を計算する

譲渡所得=売却価格-(取得費+売却費用)

=4,000万円-(3,507万円+150万円)

=343万円

この343万円がマンション売却で得られた利益である譲渡所得になります。

そして343万円の譲渡所得に所得税と住民税が課税されるのです。

保有期間が5年を節目に変わる所得税と住民税

所得税と住民税の税率は、マンションの所有期間が5年超か5年以下で変わります。

短期譲渡所得(5年以下)

  • 所得税30%
  • 住民税9%
  • 合計39%

長期譲渡所得(5年超)

  • 所得税15%
  • 住民税5%
  • 合計20%

ここで注意が必要なのは保有期間の5年以下・5年超のカウントの仕方です。

5年超と聞くと以下のように考える人がほとんどだと思います。

  • 2015年4月1日にマンションを購入
  • 5年経過後の2020年5月31日にマンションを売却

ですがこれは誤りです。保有期間が5年超と認めてもらうには、5年目に達した日の翌年1月1日以降に売却する必要があります。

つまり5年超の長期譲渡所得として認めてもらうには、2021年1月1日以降に売却しなければならないということです。

よって実際には5年以上保有しなければいけないということです。ほとんどの方がこの点を勘違いしているので、長期譲渡所得を狙うなら売却時期について慎重に確認して下さい。

マイホームを売却した際の税金控除・特例について

居住用マンションを売却した際の譲渡所得にかかる所得税と住民税では、3つの控除・特例が使えます。

  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例
  • 特定のマイホームを買い換えたときの特例

居住用マンションを売却した際の税金控除・特例について

非常にメジャーな特例で「3,000万円の特別控除」と呼ばれたりします。居住用マイホームを売却した時に利用出来ます。

この特例は長期・短期の所有期間に関わらず、マンション売却で得られた譲渡所得から3,000万円まで控除出来ます。つまりこの控除を利用すると、譲渡所得が3,000万円以内に収まっていれば非課税とうい事になります。

実際にはマンションの売却益が3,000円を超えることはほとんどありません。よって居住用マンションを売却した時には、まず3,000万円の特別控除の利用を検討して下さい。

3,000万円の特別控除を利用するには適用要件があります。

要件①

自分が居住している家屋を売ること。

もしくは、家屋と一緒に家屋が建っている敷地や借地権を売ること。

以前に住んでいた家屋や敷地などを売却する場合は、その家屋に住まなくなった日から3年目を経過した日が含まれる年の年末(12月31日)までに売却すること。

要件②

売却した年の前年か前々年に、この特例を利用していないこと

要件③

売手と買手の関係が、以下に当てはまらないこと。

  • 親子
  • 夫婦
  • 生計を一にする親族
  • 内縁関係の人

要件④

この後紹介する「マイホームの買換え特例」や、「マイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」を利用していないこと。

要件⑤

売却した家屋や敷地が、「収用等の場合の特別控除」などの特例を利用していないこと

この他にも細かな適用要件がありますので、詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。

適用要件を5つも書きましたが、結局のところ今住んでいるマンションを普通に売るだけであれば、ほとんどのケースでこの特例が利用できるということです。

3,000万円の特別控除の利用方法は?

3,000万円の特別控除を利用するには確定申告を行います。

確定申告の時期ですが、「マンションを売却した翌年の2月15日~3月15日」です。「売却した翌年」という所に注意しておいて下さい。

申告をする際に「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)」という書類を添付するだけです。

夫婦で所有しているマンションの売却なら控除額は6,000万円に!

夫婦で所有しているマンションを売却する場合、3,000万円の特別控除を利用して控除額を6,000万円まで拡大することが出来ます。

3,000万円の特悦控除は「一人あたり最大3,000万円まで控除できる」という特例だからです。

譲渡所得が6,000万円にもなるマンションを売却する人はそうそう居ないでしょうが、都心の超高級億ションの保有を考えている人などは、控除額が2倍に出来ることを考慮して夫婦で共同所有することが考えるのもいいかもしれません。

マイホームを売ったときの軽減税率の特例

軽減税率の特例は住んでいたマンションを売却して、一定の要件を満たせば長期譲渡所得の税額を軽減できる特例です。

軽減された税率

軽減税率の特例を利用すると、税率は以下のように軽減されます。

(譲渡所得が6,000万円以下の場合)

所得税:10%

住民税:4%

(譲渡所得が6,000万円を超える場合)

所得税:(課税長期譲渡所得金額-6,000万円)× 15% + 600万円

住民税:(課税長期譲渡所得金額-6,000万円)×  5% + 240万円

 

※課税長期譲渡所得金額の計算式

課税長期譲渡所得金額=(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除

軽減税率の適用要件

軽減税率の特例を利用するには、以下の5つの適用要件を全て満たすことが必要です。

(要件①)

自分が住んでいる家屋を売るか、もしくは一緒に家屋の建つ敷地を売ること。

以前住んでいた家屋や敷地は、そこに住まなくなった日から3年目の年の年末(12月31日)までに売却すること。

(要件②)

売却した年の前年と前々年にこの特例を利用していないこと。

(要件③)

売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていること。

(要件④)

売主と買主の関係が親子や夫婦などでないこと。

(要件⑤)

「マイホームの買換えの特例」を利用していないこと。

※「3,000万円の特別控除の特例」は、併用することができます。

特定のマイホームを買い換えたときの特例

居住用のマイホームを平成29年12月31日までに売却して新居に買い替えた時に利用できる特例です。

適用条件を満たせば、譲渡所得に対する課税を「今回購入した新居を将来売却する時」まで繰り延べることが出来ます。

買い換え特例の適用要件

適用要件は以下9つあります。

(要件①)自分が住んでいる家屋、もしくは家屋と一緒に敷地や借地権を売ること。

(要件②)

売却した年の前年と前々年に以下の特例を利用していないこと。

  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例
  • マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例

(要件③)

売却したマイホーム、買い換えたマイホームが共に日本国内にあること。

また売却したマイホームが以下の特例を利用していないこと。

  • 収用等の場合の特別控除など他の特例

(要件④)売却代金が1億円以下であること。

(要件⑤)居住期間が以下の両方に当てはまること。

  • 売却した人の居住期間が10年以上
  • 売却した年の1月1日時点で売却した家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えていること

(要件⑥)

新居の建物の床面積が50平方メートル以上であること。

(要件⑦)

以下の期間内にマイホームを買い換えて、一定期限まで住み続けること。

  • 所有しているマイホームを売却した年の前年から翌年までの3年間

(要件⑧)

買い換えた新居が以下の条件を満たした住宅であること。

  • 耐火建築物の中古住宅である場合には、築25年以内のもの。
  • 耐震住宅であること。

(要件⑨)

売主や買主が親子や夫婦など特別の関係でないこと。

マンションの売却と確定申告について

マンションを売却したら必ず確定申告が必要になります。

不動産の売却で得られた利益は申告分離課税として扱われる為です。

年末調整をしているサラリーマンの方は、確定申告は関係ないと考えているかもしれません。

ですが申告分離課税であるマンションの売却で得た利益は、給与所得とは別に確定申告を行う必要があります。

よってサラリーマン、自営業者、フリーランスに関わらず、そして居住用、投資用に関わらず不動産を売却したら必ず確定申告が必要になります。

もし申告せずにいると税務署から通知が届きます。

マンションを売却した際に行う確定申告に必要な書類は以下の通りです。

  • 確定申告書B様式
  • 譲渡所得の内訳書
  • 分離課税用の確定申告書
  • マンションを売却した時の売買契約書のコピー
  • 売却したマンションを購入した時の売買契約書のコピー
  • 仲介手数料等や売却に掛かった費用の領収書のコピー

また「3,000万円の特別控除」や「マイホームの買い換え特例」を利用する場合は、特例毎に追加で必要な書類を準備して確定申告を行う必要があります。

まとめ

マンションの売却をした時に掛かる税金計算方法は理解しておかないと後で「こんなに税金が掛かるのか!!」と驚くことになります。

そして利用できる控除や軽減税率の特例を知っておかないと、大きく損をすることにもなりかねません。マンションを売ったら確定申告も必要になります。

今回解説した税金、控除、確定申告の内容をぜひ役立ててください。

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