転勤の辞令が出ると短い期間で決めなければいけないことが沢山出てきますが、中でも 持ち家をどうするか が一番悩ましいですよね。
転勤が決まった時の持ち家の対応方法は考えることが多いように見えて、それぞれの状況に応じたベストなパターンがあります。
この記事では、転勤が決まった時、どの対応方法が向いているかを判断する方法と、メリット、デメリットを解説します。
【目次】
転勤が決まった持ち家の対処方法早わかり
転勤が決まった時、持ち家の対処は、 「売却」、「賃貸」、「保有」 の3つです。
売却、賃貸、空き家のどれが向いているのかは、住宅ローンのあり・なしと赴任期間を元にして判断します。

多くの方は住宅ローンを組んでいて、赴任期間が確実に決まっていることは少ないので、売却 を前提に考えます。
赴任期間が1年以内の短期間で決まっていればそのまま保有を、赴任期間が長く、住宅ローンがない場合は賃貸も検討できます。
単身赴任を選ぶのは、転勤が短期間で終わる前提なので、持ち家の対応というよりは、単身赴任後の生活についてが問題になるためです。
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売却が向いているケースとメリット・デメリット

家の維持費や住宅ローンのことを考えると、 多くの場合売却が現実的な選択肢 になります。
- 住宅ローンが残っている
- 2軒の家の住居費を払う余裕がない
- 転勤先からいつ戻ってくるか決まっていない
売却が向いているケース
住宅ローンが残っている
住宅ローンは、契約者本人が居住することが契約条件になります。
売却せずに第三者に貸し出し、本人が居住していない状態になると、契約違反 になるため、一括返済や、金利の高い事業用のアパートローンへの借り換えを迫られる可能性があります。
住宅ローンの借り入れ条件の例を見ても、「本人」または「家族」が住むことと明記されています。

出典:住宅ローン借入条件|住信SBIネット銀行
https://www.netbk.co.jp/wpl/NBGate/i900500CT/PD/hl_joken
2軒の家の住居費を払う余裕がない
売却をせずにそのまま保有する場合、2軒分の住居費がかかることになります。
一時的な出費ではなく、売却しない限り、継続的にかかります。
家計に2軒の家の住居費を支払う余裕が無い場合は、売却を検討することになります。
転勤先からいつ戻ってくるか決まっていない
転勤は会社都合で決まるものなので、いつ戻ってこられるか、元の勤務地に再度異動があるは、決まっていない事が大半です。
その間保有し続けることは、金銭面でも管理の面でも負担が大きいので、手放すことが現実的な選択肢になります。
転勤先から戻ってこられる時期が決まっていて、1年以内の短期間であれば、金銭面でも保有しつづけることが可能ですが、保証されていることは稀です。
売却のメリット
- 売却資金が手元に残り、住み替えの選択肢が増える
- 管理の手間がかからない
売却資金が手元に残り、住み替えの選択肢が増える
持ち家を売却すると、売却費用からローン残高を差し引いた分が手元に残ります。
資金的に余裕ができるため、転勤先で新しく購入する、賃貸を借りるなど、選択肢が増えます。
また、持ち家の売却益には、非課税となる特例もあるので、税金の負担も少なく済みます。

出典:マイホームを売ったときの特例|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
管理の手間がかからない
売却をして持ち家を手放せば、管理について心配する必要はなくなります。
賃貸に出すと、入居者への対応やお金の面で、色々やるべきことが発生します。
入居者対応 | 入居者探し、クレーム対応、設備の故障対応、退去時対応、事故対応 |
---|---|
お金の管理 | 毎月の入金確認、固定資産税支払い、確定申告 |
空室の場合でも長期間放置すると家が傷むため定期的なメンテナンスなど管理は必須です。
転勤先が遠方になる場合は、頻繁に戻ることが難しいので、費用を払って管理会社に対応を依頼する場面もでてきます。
自分で対応する場合は、交通費もかかってきます。
売却のデメリット
持ち家を手放すことなる
売却をすると、持ち家を手放すことになります。
どうしてもその地域に愛着があれば、転勤先から戻ってきた時に、住み替えで同じような条件の家を中古で購入し直すこともできます。
金銭的な負担を抑えながら、またその地域での暮らしを再開することができます。
購入後間もない場合は、手放す決心がつきにくい
購入して間もない場合は、手放す決心がつきにくい方もいます。
しかし、高く売却するには、築年数が短いほど有利です。
売却するのが遅くなるとその分値下がりが進み、余計に損が拡大することになります。

出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)|東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201802.pdf
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賃貸が向いているケースとメリット・デメリット

持ち家を賃貸に出すことは、住宅ローンの規約の問題や、管理の手間でハードルが高いですが、いくつか条件を満たす場合、検討することができます。
- 住宅ローンを借りていない
- 第三者ではなく、身内に貸す
賃貸が向いているケース
住宅ローンを借りていない
相続などで住宅ローンを借りていない場合は、賃貸に出すことを検討できます。
転勤がある世代では、まだ家を相続しているケースも少なく、多くの方は住宅ローンを組んで持ち家を購入しているので、現実的に当てはまるケースとしては少ないです。
第三者ではなく、身内に貸す
住宅ローンがある状態で第三者に貸し出すと、事業とみなされて住宅ローンの規約違反になります。
ただし、身内に貸す場合は、事業でないと見なされ、調整できるケースもあります。
(銀行によって方針が違うので、確認が必要です。)
よくあるのは、兄弟夫婦や親戚に貸すなどです。
注意点として、身内といっても、お互いの都合があるので、いつまで住むのか、ご自身が転勤先から戻って来た時にどうするのかといった将来の計画について、よく相談をしておく必要があります。
賃貸のメリット
賃貸のメリットは、持ち家を手放さずに保有し続けられる点です。
また、住宅ローンがない家であれば、賃貸に出して収入を得ることができます。
賃貸のデメリット
賃貸は、一見持ち家を保有し続けられて、収入も得られるのでメリットが多いように見えます。
ただし、収入を得るということは、大家として事業を営むことになるので、実際にはハードルが高いです。
- 住宅ローンの規約違反になる
- 税金や維持費など出費が増え、ほとんど残らないケースが多い
- 自分の都合で居住者を退去させられない
住宅ローンの規約違反になる
住宅ローンの残債が残っている場合、第三者に貸し出して収入を得ることは、住宅ローンの規約違反になります。
銀行に相談せずに、賃貸に出している事がわかると、住宅ローンの一括返済を求められる、事業用の金利の高いアパートローンへの借り換えを求められます。
多くの方は、住宅ローンを利用して持ち家を取得しているので、転勤が決まったからといって、賃貸にだすのは現実的には難しいケースが多いです。
税金や維持費など出費が増え、ほとんど残らないケースが多い
持ち家を賃貸に出すと、家賃が丸々収入になるわけではなく、税金や管理費など沢山の種類の経費がかかってきます。
税金 | 固定資産税、所得税、住宅ローン控除対象外、確定申告費用 |
---|---|
維持費 | 管理費、修繕費、クリーニング費、退去費 |
収入は、家賃から経費を引いた分になります。
毎月利益が出ていても、修繕費や退去費がなど想定外の出費があると、結局手元に残るのはわずか、というケースも珍しくありません。
賃貸需要がない地域の場合は、空室リスクも考える必要があります。
わが家では、不動産投資でワンルームマンションを賃貸に出していたことがあります。
家賃収入からローンの返済を引くと毎月半分程度は手元に残りましたが、給湯器の故障や管理会社への支払いなどで、最終的にはほぼ利益は残らない結果になりました。
自分の都合で居住者を退去させられない
賃貸に出すと、借り手には居住権が発生するので、貸す方の都合で一方的に退去させることはできなくなります。
「転勤が終わったので戻ってきたい」という場合には、事前通告をした上、家賃の半年分の立ち退き費用を支払う必要があります。

出典:立ち退き料・立ち退き費用問題|不動産経営博士
https://www.chintaikeiei.com/tr_tachinoki/2.html
退去費用を支払っても、借り手が応じてくれるとは限りません。
転勤先から戻ってくる時期が決まっている場合は、あらかじめ貸し出す期間が決まっている定期借家契約で賃貸に出す方法もあります。

出典:定期借家契約とは|不動産経営博士
https://www.chintaikeiei.com/ks_teiki/
ただし、定期借家契約の場合、借り手が少なくなる分、家賃相場は通常の賃貸より2割ほど安くなります。
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保有が向いているケースとデメリット

売却、賃貸をせず保有する事は、家を2軒維持する金銭的な負担と、管理の手間から、現実的には難しい場合が多いです。
ただし、次の条件を満たす場合は、選択肢の候補になります。
保有が向いているケース
1年以内の短期間で戻ってくる
転勤は会社の都合で決まるので戻ってこれる時期は決まっていない事が多いですが、期限付きの転勤辞令が出る場合もあります。
1年以内に戻ってくる事が分かってれば、空き家にしておくことも選択肢に入ってきます。
短期間なら、単身赴任も検討できます。
同居していた身内(親など)残る
転勤が決まっても、持ち家を売却、賃貸をせず、保有を続けるのでよくある例は、もともと親など身内が同居していて、転勤先には身内はついていかず、そのまま残るケースです。
費用や、家の管理についても、残る身内の方にお任せできるので、心配は少ないです。
保有のデメリット
- 住宅費、税金、が2重にかかる、だから家計に厳しい
- 管理をしないと家が傷む
- 住宅ローン減税が受けられない
住宅費、税金が2重にかかる、だから家計に厳しい
空き家で保有をすると、すべての住居費が2重に掛かります。
空き家 | 住宅ローン、管理費、修理費、水道光熱費、固定資産税(すべて2倍) |
---|---|
売却 | ー(売却した家には住居費はかからない) |
住宅ローンだけではなく、固定資産税も倍になるので、短期の期限付き転勤でない限り、多くのご家庭では現実的には難しい選択です。
管理をしないと家が傷む
家は人が住まずに放置すると傷んでいくため、空き家で放置する場合は、定期的に換気をするなど管理が必要です。
転勤は遠方に赴任することがほとんどなので、管理のために戻ることは、交通費も掛かります。
住宅ローン減税が受けられない
住宅ローンを組んで持ち家を取得している場合、空き家にした家は住宅ローン減税の対象外になります。
住宅ローン減税の条件は、居住している家に適用されるものだからです。
住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホーム取得をし自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、各年分の所得税額から控除するものです。
出典: 住宅借入金等特別控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/pdf/030.pdf
住宅ローン減税を活用すると、最大40万円まで所得税・住民税が免除されます。対象外になるとその分出費が増え、更に家計を圧迫することになります。
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ほとんど場合は売却が現実的、一括査定サイトで無料査定から

転勤が決まった時の持ち家の対処方法として、売却、賃貸、保有の3パターンがありますが、 転勤が発生する一般的なサラリーマン世帯には、住宅ローンや維持費の点で、売却が現実的な選択肢となることがほとんどです。
売却を決めたら、まずは一括査定サイトで無料査定を受けることから始めましょう。転勤をする方にとっては、メリットが沢山あります。
一括査定サイトならネットで査定を依頼できる、だから忙しい転勤前に便利
一括査定サイトを利用すると、不動産会社に出向くことなく、ネットで査定を依頼できます。

転勤前は持ち家のことだけではなく、会社での引き継ぎや、引っ越し、お子様の学校の転校など、色々な手続きに追われます。
今この場で査定を依頼できるのは、転勤前の忙しい時期にはとても助かります。
転勤では不動産に現地対応を任せることに、だから不動産会社選びが重要
転勤は急に決まるものなので、本格的な売却活動は転勤後になることがほとんどです。
購入希望者の内覧対応や契約の代行不動産会社に一任することになるので、普通の売却以上に、信頼できる相性のいい不動産会社会社を探すことが重要になります。
転勤の場合は空き家で売却できるので、売却の手間がかからない
転勤で持ち家を売却する場合、家を空室にしてから売却するので、内覧の立会は不要です。
やることは契約の時の立会くらいなので、売却の手間は少なく済みます。
普通に住替えで持ち家を売却する場合は、居住中に売却することになるので、毎週のように内覧対応に追われるなど、売却にかかる負担が大きいです。
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よくあるご質問

転勤先についていくべきか、単身赴任してもらうべきかを決めるポイントは?
お子様の学校が始まっている、奥様もお仕事があり転勤についていけない、といった場合で、転勤の期間が1年程度の短期の場合は、単身赴任を検討します。
赴任期間が長期間になる場合は、育児や、精神面で家族全体の負担が大きいので、売却して赴任先に引っ越すケースが多いです。
住宅ローンを返済中で転勤になったら、どうするべき?何をやるべき?
住宅ローンがあると、第三者に賃貸に出したり、空室で保有することは困難なので、最終的には売却することになります。
海外赴任が決まったら、持ち家はどうするべき?
賃貸して空室になったり、家の管理が必要な時に、海外から戻ってくることは現実的ではありません。
身内に管理を依頼することが難しければ、売却することが無難です。
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まとめ
転勤が決まった時の持ち家の対処方法として、売却、賃貸、保有の3つがあります。
住宅ローンの有無と、赴任期間を中心に考えると、ご自身に最適な対処方法が分かります。

住宅ローンを組んで持ち家を購入している方がほとんどで、、赴任期間が確実に決まっていることも少ないので、売却を中心に検討するのが現実的です。

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