マンションの売却を始めると沢山の契約や手続きを進めることになります。マンションの売却は人生で何度もあることではないので、特に初めての場合は何をすればいいのか全く分からない!という人がほとんどです。実際に自宅マンションを売却した経験から、マンション売却でやるべき手続きや、スケジュールをまとめました。
【目次】
1.マンションを売却することに決めたら、まず査定依頼から!
マンションを売却することを決めたら、まず最初にやるべきなのは査定依頼です。売却を始めたばかりの段階ではどの不動産会社がいいかもまだ分からないと思いますので、一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社に査定を依頼します。
一括査定サイトを使うことで次のようなメリットがあります。
- 自分のマンションの売却に対応できる不動産会社から連絡があるので、自分で不動産会社を探さなくてもいい
- 複数の会社の査定価格を見比べることで、自分のマンションの売却相場が分かる
- 色々な不動産会社、営業マンから信頼できそうな所を選ぶことができる
2.不動産会社と媒介契約を結ぶ

マンションの売り出しを正式に開始するには、不動産会社に営業を依頼するための契約、「媒介契約」を結ぶ必要があります。媒介契約を結ぶ不動産会社は、一括査定を受けた不動産会社の中から、査定価格や営業マンとの相性を元に選びます。
媒介契約を結ぶのは簡単で、媒介契約書にサインと売り出し価格を記入すれば成立です。契約期間は3ヶ月間が基本です。延長する場合は、3ヶ月ごとに契約を更新します。
媒介契約の種類はいくつかありますが、以下の2つを覚えておけば十分です。
- 一般媒介契約:複数の不動産会社と同時に契約できる
- 専任媒介契約:一社の不動産会社としか契約できない
一般媒介と専任媒介の使い分け方の具体例は、管理人のマンション売却体験談を参考にしてみてください。
3.売却活動
不動産会社と媒介契約を結ぶと、売却活動が始まります。不動産会社は、自社や提携会社のお客さんへの紹介や、ネットやチラシ広告を通じて興味があるお客さんを集めます。
内覧
購入を検討している人が物件の見学に来ることを内覧と呼びます。基本的なことは不動産会社が説明してくれますが、買う人は住んでいる人の声も聞きたいと思っているので、あまり遠慮はせずに会話をするのがオススメです。
10分程度であっさり終わったり、お客さんとの会話が盛り上がって30分以上になることもあります。
(早く終わる場合は他の物件も回っていたり、物件を見てみたら想像と違ったという場合が多いです。)
価格の調整
内覧が入って初めて売れる可能性が出てくるのですが、価格が相場から離れすぎていると、内覧が全然入らない場合もあります。目安としては月3,4件以上だと順調、月1件以下なら、築年数や広さと価格が合っていない可能性が高いです。
内覧が入らなければ価格を見直して、まず内覧が入るように調整します。値段の調整をするタイミングは売り主の都合でいつでもできますが、価格は安くなりすぎないように不動産会社とも相談しながら決めていきます。
4.購入申し込み

内覧に来た方が購入することを決めた場合、不動産会社経由で購入申込書(買い付け証明書)を出して、正式に意思表示します。購入申し込み書には、以下の内容が載っています。
買い主さんの情報
氏名、住所などです。
ローンの審査状況
買い主さんをローンの事前審査を通している場合、銀行名や金額が確認できます。事前審査を通していない場合はありません。
金額
買い主さんが購入したいと考えている金額です。売り出し価格のままのこともあれば、値引き交渉が入っている場合もあります。値引き交渉を受けて、こちらも交渉をしたい場合は、いくらくらいなら受けられそうか、不動産会社を通じて意思表示します。
金額やローンの審査状況をみて、購入申し込みを受け付けると、売買契約の日取りの調整になります。
5.売買契約
購入申し込みでお互いの意思が確認できると、正式に売買契約を結びます。他の購入希望者が現われたり、お互いの気が変わってしまわないよう、購入申し込みから3日から1週間程度で売買契約を結ぶのが普通です。
売買契約当日は不動産会社に集まり、以下のことを行います。
重要事項の説明
不動産会社から、物件の詳細や売買契約書の内容について説明を受けます。法律で宅建の資格を持っている人が説明書を行うように定められています。
売買契約書の取り交わし
購入申し込みで受けた金額で売買することを契約書で確認します。引き渡し日も決めますが、余裕を持って遅めにしておいて後で前倒しにすることができますので、一旦仮で大丈夫です。
手付金の受領
買い主さんから手付金を受領します。物件金額の5%程度が目安です。売買契約当日は、手付金から仲介手数料の半分を不動産会社に支払うことが多いです。
全部で1時間ほどもあれば終わります。
6.ローン関連の手続き
売買契約が終わると、売り主、買い主それぞれがローン関係の手続きを進めることができます。
買い主側のローンの本審査
買い主側のローンは、売買契約を結んでから、銀行の本審査に入ります。仮審査が通って入れば基本的に問題ありませんが、万一どの銀行でもローンが下りなければ、、契約はなかったことになります(ローン特約と呼びます)。
売却するマンションのローン完済手続き
買い主側のローンの本審査が通ると、決済・引き渡しの日取りも決まることになります。売却するマンションにローンが残っている場合は、決済の前に銀行にローンの完済手続きをする必要があります。決済の10営業日前の所が多いです。
7.決済・引き渡し
ローンの手続きが無事終われば、代金の最終決済と引き渡しです。決済の日は、売買代金の全額の受け渡し、銀行へのローンの完済、マンションの名義変更を行います。
引き渡しは決済の当日にすることが多いですが、引っ越しの関係で決済が終わってから別の日にすることもできます。ただし、ローン完済後の残金は引き渡しをしてから受け取ることができるので、売却代金を次の家の頭金に充てる場合は注意が必要です。
8.売却後の手続きも忘れずに!
決済と引き渡しが終わると一段落つき、不動産会社とのお付き合いも終わるので、ついつい忘れがちなのですが、売却後もお金に関わる大切な手続きが残っています。
火災保険の解約と払い戻し

マンションを購入する時に火災保険に加入していますが、ローン期間が終わるまでの途中で売却をした場合は、残り期間分の払い戻しが受けられます。自分から連絡しない限り自動で解約されないので、気をつけましょう。
(前回マンションを売却した時は、3年ほど気付かず少し損をしてしまいました。)
税金について
売却をして利益が出た場合、譲渡所得として課税されますが、利益が3000万円までなら特別控除を受けられることがほとんどです。特別控除を受けるには確定申告をする必要があります。
(マンションを売却すると税務署から申告のはがきが来ます。)